前置き
みなさん、ソロジャーナル遊んでますか?
ソロジャーナルとは、ダイスやトランプなどのランダマイザを用い、シナリオのプロンプトに従って記録する遊びです(ということにしておいてください)。
シナリオのプロンプトは、詳しい表が用意されていることもあれば、想像の余地が残されていることもあります。
つまり指定のない行間は、自分で補完したり、思いつきを挟んだりする必要があるということです。
こう言うと少し難しげに見えてしまいますね。
でも、難しいことはありません。「要素と要素の間を埋める」は、こじつけや連想ゲームなどとも言い換えられます。
それだと、一気に簡単なように聞こえてきましたね。
というわけで、やっていきましょう。こじつけあるいは連想ゲームを。
本記事の主旨は、ふわっとした遊び方の勧めというか、もう少しログに具体性が欲しいときに自分がどうしているかとか、そういうことです。
元々自由な遊びですが、自由すぎるゆえの難しさもあると思うので。何らかの一助にでもなれば幸いです。
ランダマイザは自作のツールのやつを使用しています。
理論だけこねるのもなので、実際に試してみましょう。
お試しプレイ
では、試しにキャラメイクをしてみます。
これはシナリオプレイの視点、主人公となるキャラクターの用意ですね。既存のキャラクターなどを使わない場合、たいていのシナリオで新規作成が必要になります。今回は人間想定です。
ダイスやトランプなどの指定があればそれに従えますが、指定がないシナリオもあります。つまり、どのようなキャラでもいいということです。
使いたいキャラの想定があるなら自由度が高くていいのですが、そうでなければちょっと困りますね。特に自分はキャラメイクが苦手なので、こういうときはランダマイザに頼ります。
キャラメイク1
トランプを使ってみましょう。
スート(♥️♠️♦️♣️)が黒なら男、赤なら女。
ランク(数字)が低ければ若く、高ければ年を取っている。ということにしましょう。
🃏 → ♠スペードの 3
引いたトランプは以上でした。
今回の結果は「相当若い、むしろ幼い」「男」ということになります。
つまり、少年かなぁ。現代で言えば小学生くらいの。乳幼児の年齢だと創作の主体として難が出るので、6~12歳のどこかとしましょう。
これで終わってもいいですが、せっかくなのでスート自体に意味を持たせてもよいでしょう。早速連想です。
- 例えば、見た目。同じ黒スートでも、♣️(クラブ)ではなく♠️(スペード)である意味に着目します。
(クラブに比べれば)スペードはしゅっとしているので「ちょっととげとげしい物言いをする」とか。滑りのよさそうな形状をしているので「柳に風」「暖簾に腕押し、何事にも距離を置きがち」だとか。 - 成り立ちや原義を参考にするのも面白そうです。
- 一般的なカードゲームでは「スートの中ではスペードが最も強い」そうです。へえ~。
となると、シンプルに強者、熟練者であるとか。師匠キャラ、権力や肩書きのあるキャラなんてのもいいですね。 - マークは「剣の形状、一部地域では木の葉を模している」らしい。へえ~。モチーフがあるとまた色々浮かんできますね。
剣ならば、剣士やその見習い、金物屋、武器集めが趣味の人、騎士とか。コートに刃物がずら~っと並ぶ暗殺者なんてのもいいかも。
木の葉なら、自然、野生児、草木を散らす魔法使い、植物園、紅葉、メイプル……。
言い出せば何でもありです。マンダラート的発想でいきましょう。
このうち、お好みの要素を「小学生くらいの歳の男児」と絡めてみます。
- 男児+師匠
- ○○という柔術の師範代。幼い見た目だが、実年齢は80歳を超えている。
最近の悩みは身長が伸びないこと。 - 男児+騎士
- 元孤児で、騎士団に拾われた最年少見習い。
団長に倣って一人前の騎士になることを目指しているが、育ちの悪い部分は未矯正。 - 男児+野生児
- 樹海で、動物に育てられた男の子。
学はないしお喋りも片言だが、感覚的な能力に長けている。 - 男児+メイプル
- 農家の末っ子。羊を追いやるのが得意で、町までお使いに出るのが好きな朴訥な子ども。
いいかも。楽しくなってきた。
トランプ一枚でキャラクターの傾向が十分見えてきましたね。
キャラメイク2
トランプで最低限のキャラクターはできましたが、せっかくなのでもう一案を試してみましょう。
オリジナルで判定項目を作ります。
自分がよくやるのが「裕福度」「武力」「精神力」などです。
- 裕福度は現在の所持金、身なりのよさ、育ちのよさ。
- 武力は物理的・戦闘的な強さ。体力、筋力などと言い換えてもよさそうですね。
- 精神力は読んでそのまま精神の強さです。
これらをランダマイザに決めてもらいましょう。
数字が「小さければ度合も低い」「大きければ度合も高い」ということにします。
使うのはダイスでもトランプでも、とにかく結果が出るものなら何でもいいです。以下は6面ダイスの結果。
🎲1d6 → 5 裕福度(高め)
🎲1d6 → 1 武力(全く戦えない)
🎲1d6 → 2 精神力(不安定)
いい感じに偏っている結果ですね。
- ぱっと見は「戦えないしすぐ音を上げる癖に、一丁前に威張りはするお金持ち」という印象を受けました。これだけでも十分キャラになりそうです。
- 二案としては「実家が裕福な学者で、心身ともに打たれ弱い」とかでしょうか。
- 「複数の彼女から貢いで/養ってもらっている立派なヒモ」なんてのも変わり種でいいですね。
わずかながら武力<精神力であることから、「戦闘能力はないが、いざってときに立ち向かう気概と勇気はちょっとだけある」みたいな見方もできます。熱いやつですね。
数字に意味と理屈を見出す楽しさはここにあります。
上記のトランプによるキャラメイクと組み合わせてもいいでしょう。
「拾った財宝をため込んでいる野生児」「貧乏な騎士団」などはギャップも強く、面白いプレイの味わいがしそうです。
冒頭で「オリジナルで判定項目を作ります。」と書きましたが、別に……何というか……そんなにしっかりしたものでもありません。
頭の中で「この人の所持金はどれくらい?」と思いながらダイスを振る、その程度でいいんです。
「シナリオの流れで悪事をしたけど、今の罪悪感は?」とか「特定の行動を試みる、1~3なら行動成功、4~6なら失敗」とかね。よくやる。
決めきれないことをランダマイザに委ねると言い換えてもよさそうです。
コイントスというのは「自分が本当にその選択を望むか」が分かる行為でもあります。出た目が希望に沿うならそれでよし、そうでないなら無意識下にあった自分の希望が分かる。ダイスを振っといて無視、よくやる。それでいいんです。
まとめと終わりに
キャラメイクだけで結構な文章量になっちゃった。
ソロジャーナルというのは自由度の高い遊びです。設問を削ったり増やしたり、シナリオの指定にないことをやれます(改変の可不可については各自確認してね)。
そんな感じで、楽しく遊んでいきましょう。
これはソロジャーナル Advent Calendar 2024の参加記事です。
ところで
当初は旅といちにちという、旅をする自作シナリオを例題に使う予定でした。
キャラメイクだけで一通りの内容が書けてしまったので、他の内容は削除しました。ここぞとばかりに宣伝しようと思ったのに。
本作は「手軽に遊べる」を目標に作ったんですが、その代償に情報量が少ないので、わりと連想ゲームを必要とされるシナリオなのではないかと思います。
シナリオ作りって……難しいですね……。もしよければ遊んでみてね。