シナリオ:便りに乗せて
キャラクター
4 大人
2 筆記の身体機能を欠いている
4 宛先は同僚
2 華やかな便箋
6 かしこまった文体
戦争帰りの兵。戦争自体は大勝だったが、終戦間際に利き手を欠損した。
治療で帰還の時期がずれたため見送った戦友へ、今ようやく手紙を送る。
462 「現在の 悪行について 感謝する」内容
切手・封蝋: 1生物の柄 2軽やかな色 かもめとか!
一通
我が戦友へ
御無沙汰しております。帰国の一報が遅れてしまったことをお詫び申し上げます。
この度XXXは無事に故郷へと戻りました。
我々が勝利を持ち帰り、なおかつ私がふるさとの土を踏むまでの間に、景色はすっかり様変わりしました。
味気のない飯を減らし、国からの報せに怯えた日々がまるで嘘のようです。いいえ、実際に嘘だったのかもしれません。あの頃に拳を握っていた私の右腕も今はありません。
でも、頬をつねると変わらず痛いですから、やっぱり夢ではないのかもしれません。いつも痛みばかりが新鮮なものでした。
血煙と粉塵ばかり浴びてきた我々は、今や澄んだ景色を見る権利を取り戻しました。
食事に温かなスープを加えてもいいのです。悪行であった贅沢をこうして静かに享受するのは、なんともはやむず痒いものです。
しかし、そうできない戦友もいます。痒さは小さな痛みであると言ったのは誰でしたか、君のお陰で私は生き延びました。君と名も知らない鳥を見ながら過ごした短い時間のことを、私は一生忘れません。
またお会いしましょう。次は武器ではなく、互いに盃を持って。