KRXCUBJK

赤い瞳

2024-10-12 00:00:00

シナリオ:Alone on the Hitman Red Eye日本語訳

準備

殺し屋としての仕事:
🎲1d6 → 2

男は重要人物の送迎に出ていた。指定の駅で落ち合い、それから改めて護衛を開始する予定だ。
目的地まではまだまだ、たっぷり数日間はかかる。自室を確認して、荷物を下ろし、さて、最初に遭遇したのは……。

一人目

🎲1d6 → 3 男を目的に乗り込んだ人間、だが何かをしようとする気配はない。
🃏 → 9♠ 説明しにくく、記憶に残らない格好。仕事の制服や旅行用の私服など。
スクリプトキディ、パルクール小僧、下っ端。

展望車で一人煙を呑む静寂の時間は、ものの数分で破られた。

扉から出てきたその顔には見覚えがあった。Kの下男のうちの一人だ。Kは男にとっての「お隣さん」というやつで、己の目的とかち合わない限りは決して互いの邪魔をしない。この下男がいるってことは、あの雇い主の女も付いているのか。男は知り合いに対するごく一般的な世間話として、そう尋ねた。
下男は「いや」と忙しなく首を横に振る。男は語眉を吊り上げた。そうだ、こいつはKと違って嘘が下手だった。

そのうろたえようは、相手が雇い主と対等だから、という理由は大きいだろう。男はいかにも仕方がないという素振りで、「急行で使いをさせるとはあいつも人使いが荒いな」と納得の声色を出した。下男は――雇い主と違って貧相な顔だ――やつれた顔付きを困ったように傾げながら頭を掻く。続けて「あなたは」と言った。「どっ、どこかへ行かれるんですか」
男は大きく煙を吐きだした。「婆ちゃんの見舞い」
あながち嘘でもないが、嘘と取らせるような言い方だ。それでも構わなかった。実際、下男は「はあ」と気の抜けた返事をする。

フィルムを巻き取るように流れていく景色へ、吸い殻を食わせる。別れも言わず向けた背に、「よくなるといいですね」と、まあまあ心のこもった声がかかった。

二人目

🎲1d6 → 6 あなたにとって都合の悪い人間だ。彼らは仕事を台無しにするのだ。
🃏 → 1🍀 ラフな格好、または他の場違いな格好。巧みな変装では決してなく、視線を集めてしまう。
心の奥底にいるライバル――少なくとも相手はそう思っている。

寝台車での出迎えは、男の眉間にしわが寄るのに十分だった。
「やはりあなたも来ていたんですね」
短く切り揃えた黒髪と、着せられたように不格好な制服。顔よりも何よりも、そのアンバランスさに覚えがある。

「……魚屋だっけ?」
「違います! もう、いつになったら私のことを覚えるんですか! あなたの好敵手ですよ」

風で荒れた襟をこれ見よがしに正すくらいしか、男にはやることがなかった。この花屋、勝手に物事を進める癖は相変わらずだ。指摘したらまたうるさく吠えられそうなので、言わないが。
とは言え、当たり障りのない世間話をしたい相手でもない。「……何しに? 長旅でもしに来たのか」

「決まっているでしょう、あなたの邪魔をしに来たんです」
「なぜ……」
「なんでもです! あなたが働くってことは、誰かが被害を受けるということですから、諦めたくなるよう早めに邪魔をしておきませんと……えっ、何ですか、片頭痛ですか?」

手は思わず額をさすっていた。男の目の前にいるのは、頭痛の、悩みの、それから面倒の種みたいなやつだ。

「……長旅で疲れているので、休んでも?」
「あっお休みですか? ではまた明日! 朝食でお会いしましょうね」

早めにこの汽車から蹴り出さないと。増えていくタスクに、もはや頭を抱えたい気分だった。