シナリオ:旅といちにち
キャラクター
キャラクター元
キャラクター:
お嬢様とイフェン🎲1d25 → 7お嬢様の名前:Gから始まる
ジェイ!あなたジェイね
ハルカナ・ジェイ・苗字(身分を持って旅に出たわけではないので名乗らない)
一日目
🎲1d6 → 1 旅の目的:仕事
🎲1d6 → 1 移動速度:1 のんびり
ある街に着いたところ、「女の子の一人旅は大変でしょう」と、親切なご婦人が数日間面倒を見てくれた。礼をしたいから金を払う、あるいは住み込みで仕事を手伝うと伝えたところ、あっさり断られ、代わりにお使いを頼まれた。
予定している方角に自分の親類が住んでいるから、道すがら手紙を届けてほしいと言うのだ。断る理由もなく、張り切って書簡を受け取った。
🃏 → 13♠ 環境:非日常的な 人工物
🎲1d6 → 3 危険度:普通の危険 未知もあるかもね
渓谷を道なりに歩いていたつもりが、周囲の壁はだんだんと無機質に磨き上げられてゆき、やがてダンジョンじみた門扉に迎えられることになった。こんなことなら、ご婦人から提示された「遠回りな林道」を選んでおくんだった。
周囲は静かで、獣の声一つ聞こえない――多分、魔物もいないだろう。襲われる危険はない代わりに、ただひたすら無骨で不気味な静けさが広がっている。引き返すにももう遅い。
そわそわとイフェンの首輪を掴みながら、とにもかくにも歩き続けた。イフェンはちょっと迷惑そうな顔をしていた。
🃏 → 13🍀 遭遇:有害な 天災!
突然、足元が大きく揺れた。思わずその場にしゃがみ込むも、だんだん揺れは大きくなっていく。庇うように身を寄せてくるイフェン越しに見えたのは、通ってきた道に壁が下りてくる光景だ。
――罠!? 壁は数メートルおきに降りてきているように見える。このまま留まっていては、この狭い区画に閉じ込められてしまう! 慌てて立ち上がり、なんとか壁を支えにしながら、揺れる通路を先に進む。
時間にして十分、いや、それほども経っていないだろうか。揺れが弱まったと思ったら、侵入者を追いかけるように迫り来ていた扉も、あっけなく天井に収まっていった。
――外で出会った旅人に聞いたことだが、この周辺は昔から「地震」と呼ばれる自然現象が頻発していたらしい。だから集落は一定範囲外に集っている(最後に立ち寄った町もそういうことだったのだ)。そんな中に建築されていたあの遺跡は、もしかすると地震に対する構造的な防衛を備えているのかもしれない。
話を聞いた旅人は、どうやら元遺跡調査隊らしい。建築物のことを話すと、身を乗り出して目を輝かせた。私が言うのもだけど、なんだか子どもみたいだ、と思わず笑ってしまった。
二日目
🃏 → 13🔶 環境:人通りがある人工
🎲1d6 → 2 危険度:ちょっと安全
……謝礼という言葉に釣られたわけではない。でも、報酬付きで案内を頼むというのだから、断る理由もなかった。私は旅人を伴って、先に見た建築物に引き返した。
🎲1d25 → 16 P!
旅人の名前はパルと言った。元調査隊というだけあって慣れている様子で、私があんなに苦労して進んだ道なりも、壁の痕跡や床のへこみ具合などを見てマッピングしていく。
一人では戻れないからそのまま同行していたのだけど、歩きながら私にも構造が把握できるくらいの解説を聞かせてくれた。
「ちゃんと調査しないと、詳しいことは何とも言えないけどね」と笑う顔の何と頼もしいことか。
複数の区画を渡り歩く間、ほとんどの時間は解説をせがむか、解説を聞くかして過ごした。
🃏 → 12🧡
遭遇:大きな・多くの 敵対者
その遺跡に興味があるのは、私たちだけではなかったようだ。イフェンが毛を逆立てるのと、パルが「しっ」と人差し指を立てるのはほとんど同時のことで、それからすぐに私も気付いた。――複数の足音が聞こえる!
やがて近付いてきたのは、五人分の男の声だった。漏れ聞く会話を聞くに、彼らはなかなかに名の知れた盗掘者らしい。声はその他にもいろんなことを教えてくれた――この遺跡はしけているだとか、とっとと出発しようだとか。
半人分くらいの狭い物陰に二人と一頭で隠れるのはかなり無理があったけど、恐ろしくて恐ろしくて、とにかくただ縮こまっていた。
彼らは、「しけた遺跡」からすぐに立ち去っていった。時間にしてたったの数分の出来事だったはずだけど、私には永遠の時間が経ったように思えた。
三日目
🃏 → 12♠ 環境:非日常的な 極寒
ようやく脱出した先は、山の頂上付近だった。風が強くて、かなり寒い。盗掘者を避けて道を選んだから、行きと異なる変な道に出るのは仕方ないんだけど。
🎲1d6 → 6 とても危険
私が防寒具を持っていないと知ると、パルは入口近くに留まってくれた。今日は風を避けられるここでキャンプをするらしい。支度が始まってすぐ、「忘れないうちに」と案内料も渡してくれた。申し訳ないやら、ありがたいやら。
私たちは行動を共にするうちにかなり打ち解けていて、野営準備の傍らでいろんな話をした。自分のこととか。これまでの旅路とか。これからの旅の行く末だとか。
人とこんなに互いの話をしたのは、この旅が始まってから初めてのことで――宿を貸してくれたご婦人もたくさんお喋りをしてくれたけど、彼女は旅人じゃないから――嬉しかった。
私の出自を知ったパルは急に改まりだすものだから、それは痒くって仕方がなかった。少し前は、身分のあることが当たり前だったのに。パルは私の生家のことをいったん忘れて、それで友達になってくれた。もちろん、イフェンとも。
友達とお屋敷の外で遊ぶことなんてしたことがなかったから、寒いテント泊も、不思議とわくわくした。
🃏 → 5♠ 遭遇:価値のある 中立者
今のパルの目的地は私が目指すのと違う方角だった。パルはめいっぱい別れを惜しんでくれた。
彼は私に、小さな石ころのようなものを差し出した。薄い灰色で、中央に真っすぐ白い線が入った平たい石。これは珍しい石で――と言っても金銭的価値については未鑑定だけれど――持ち主に加護を与えると言われている物らしい。ある調査個所で発掘したものだそうだ。「いくつかあるから、一つくらい平気さ」と笑うパルに、私から渡せそうなものはなかったが、
🃏 → 3🧡大きな・多くの 気象・天候変化
私が知る限りの、最も大切で重要な祈りを捧げた。彼の旅路が安全で、平穏でありますように。
――祝詞が終わるか終わらないかのうちに、煙みたいに白んでいた空が急に晴れたものだから、パルはえらく驚いていた。単なる疑似好天とも言えるけれど、実を言えば、私もちょっと驚いた。そんな大げさな力はないのだけど。
何にせよパルは私の祈りを受け取って、それで分かれ道を歩いていった。大きく手を振りながら。
持ち物
- 書簡
- 世話になった婦人が親類に宛てた手紙。
一人旅の少女に預けたということは、さして重要でない内容と思われるが、私に預けてくれたということは重要だ。 - 平たい石
- 薄い灰色で、中央に真っすぐ白い線が入った平たい石。未鑑定品。
持ち主に加護を与えると言われている。